2010-12-13

13th Dec 2010 - Kurume / 聖ルチア祭

「場所によって違った話が伝えられているようだけど」

去年、パリの友達が病気の復帰祝いもかねて、自宅で彼女の絵とその友人の帽子の展覧会を開いたので、オープニングパーティに遊びに行った。
彼女は闘病生活が長かったので、もともと細かった体がますます細くなっていていたのだけど、友人たちが大勢来て、綿やらフェルトやらダンボールやら、色々な素材の、でもパリらしいというのか、こじゃれた・・・帽子をかぶって、大はしゃぎして、彼女はその夜、とてもきれいだった。
同じく絵描きの旦那さんも、いつもは絵を描きやすいようなラフな格好をしているけれど、そのときは赤いシャツに黒いネクタイにパンツで、初めて(失礼!)男として色気のある人だなと見直したり。
彼女が治りかけのときに描いたという絵は大判で油彩で、青と黒と生成りが混ざり混ざっていて、冬の荒海のようだった。それを描くことで、心が落ち着いたのだと言っていたような気がする。

最後に、その場にいた全員にいきわたるよう、円形に2,30個ほどのろうそくを置いて火を点して手に持って、それぞれが願いを思った。


「私の出身地のヴェローナ(北イタリア)では、今日、12月13日はシラクサの聖ルチア(サンタ・ルチア)の日で、クリスマスと同じように、子供たちはプレゼントをもらえる。ただ、悪い子は炭が送られるのだけどね。」

「場所によって違った話が伝えられているようだけど、私が知っているのは、シチリア島のシラクサに異教徒(キリスト教徒にとっての異教徒)のお金持ちの家があって、娘が一人いたので、同じように異教徒の家に嫁がせようとしていたら、娘のルチアは自分は結婚はしたくないし、キリスト教徒になるのだというと、父親は怒って娘の目をつぶしたの。」

「そして彼女は天に召されたときに、神に何を願うかと聞かれたとき、地上にいたときに見た貧しい子供たちへ贈り物をして欲しいと願ったそうよ。だから、聖ルチアは、サンタクロースのように子供に関係する聖人としてあがめられているの。この日は、目の見えない聖ルチアのために点したろうそくを、聖ルチアを運んでくるロバのためにオレンジを用意して待っておくのよ。」

「私の町ではね、中世に伝染病が流行って子供たちの目がつぶれることがあったものだから、聖ルチアを特にあがめるようになったの。」

「現代ではね、子供たちは贈り物をもらえる代わりに、それまで持っていたものから一つ選んで、誰かほかの人に、大体は貧しい子供に贈るということをするの。私は、私たちのニコラ(彼らの息子)にもこの伝統を守って、去年も何か一つ選ばせたわ。彼にとっては、愛着のあるおもちゃを手放すのは、とても難しかったみたいね。でも、そうやって学んでいくんだわ。」


そうこうするうちに夜は更けて、メトロの終電が近づいて、パーティはおしまい。
冬の通りは寒かったけど、酔いでわいわいやって、友人らと帰途についた。